moon 販促風レビュー

個性豊かなキャラクター達が生きているムーンワールドで、ラブを集めてみませんか

 
moonは少年が、遊んでいた王道RPG「MOON」の世界に吸い込まれてしまい、勇者ではなく住人としてムーンワールドで生活するところから始まる。MOONの勇者視点でモンスターに見えていた生物は、本当は無害なアニマルであり、ドラゴン討伐を応援してくれていた住民は、実際は勇者を気味の悪い奴だと噂していた。月の光を取り戻すための打倒ドラゴン物語は、勇者だけのものだったのだ。
 
あなたは少年として世界を歩き回り、勇者に殺されてしまったアニマルの魂を「キャッチ」して救うことができる。個性豊かな住人をじっくり観察して深く関わることができる。そうすることでラブを集め、月の扉を開くことが少年の目的となる。
 
主人公の基本的な行動はキャッチと会話、アイテム使用だ。世界を救うために敵を殺すことはできない。ラブを集めるために、地道に手がかりを探し謎解きをコツコツと進めなければならない。ワープはあるものの移動速度は遅い。さらに活動時間に制限まである。ゲーム体験として面倒臭く、煩わしく思うかもしれない。しかし、これはmoonに必須の要素なのである。なぜなら主人公の少年はただのゲームプレイヤーだからだ。ムーンワールドではキャッチの能力を得たものの、それ以外は何の変哲もない、私たちと同じ人間なのだ。だからこそmoonのプレイヤーは、まるで自分がムーンワールドを散策、ひいては探索しているかのように思える。これがmoonの醍醐味であり、エンディングをより1層引き立てるスパイスとなっている。
 
私はあなたにmoonというゲームを実際にプレイして、攻略サイトを見ることなく、少年と同じ視点でエンディングを迎えて欲しい。謎解きに詰まり同じ場所を何度も歩くうちに、とっとと攻略を調べてゲームクリアしたいと思うようになるかもしれない。けれどそこで諦めず、時間をかけてラブを集めることこそが、moonを退屈で面倒な作業ゲームから、あなたのゲーム人生にべチャッとへばりつく体験に昇華させるのだと信じている。